歯科医院で新型コロナウィルス感染することはありません

 三重県、滋賀県の歯科医院での新型コロナウィルスのクラスター発生のニュースがあり、歯科治療の受診について不安に思われている患者様もいらっしゃるでしょう。しかし歯科医院では治療の際スタッフ全員がマスクやグローブを着用しているため、たとえ感染した患者様やスタッフがいたとしても、院内で感染が広がるリスクはかなり少ないと考えます。

 ニュースでは1人の感染者から4人のスタッフへ感染が広がったと報じられていますが、患者様への感染については報じられていません。通常患者様と接する時はマスク・グローブで感染防止をしていますが、休憩中などのバックヤードでは外している場合が多いので、その際に他のスタッフへ感染が広がったと思われます。当院ではバックヤードでの感染対策や、スタッフのプライベートでも感染対策も徹底しております。
 当院では新型コロナウィルスも含め、常日頃から肝炎やエイズなどのあらゆる細菌の院内感染を防ぐため、マスク・グローブの着用はもちろん、使い捨ての患者様用のエプロン・紙コップ、小さな治療器具にいたるまで滅菌しています。このように院内感染防止の知識が豊富な歯科医院より、マスク・グローブの着用や滅菌がない一般の社会生活の方が感染の危険性が高く、十分に気をつけて頂きたいと思います。

口腔ケアでも感染防止

 近年の研究では、口腔ケアをしっかり行っている人は新型コロナウィルスに限らず、インフルエンザなど感染しづらいことがわかっています。口腔ケアでお口の細菌をコントロールすることで、ウィルスが体内の細胞に侵入しにくくなるということです。特に歯周病菌は糖尿病や動脈硬化の悪化を進めるだけでなく、ウィルスを体内に侵入しやすくする酵素を出すと言われています。
 前号(中野院長の予防歯科教室 特別版 新型コロナウィルスの重症化は口腔ケアで防ぐ)でお話したように、新型コロナウィルスに感染したことによる肺の免疫低下で、普段は肺に入っても平気なお口の常在菌でも細菌性肺炎を併発させてしまい重症化する危険性があります。

 お口の細菌コントロールと、日々の歯みがきや舌みがきなど、正しい在宅口腔ケアをスタッフまでぜひご相談ください。
こんな時こそしっかりとした口腔ケアで新型コロナ感染を防止しましょう。

口腔ケアで、一緒に今の新型コロナウィルス重症化の危機を乗り越えましょう!