第70回 熱中症の危険サイン「かくれ脱水」

 連日暑い日が続いていますね。
今年は早期に梅雨も明け、これから更なる暑さが予想されます。
こまめな塩分・水分補給もしながら熱中症対策をしていきましょう。
熱中症で脱水症状になると、汗が抑えられて皮膚や粘膜が乾燥していき、同じようにお口の中も変化してきます。
口の中が渇く、舌が乾燥して動かしづらい、舌や唇が乾きひび割れている、などの症状があったら「かくれ脱水」の危険があります。
 特に高齢者の方々は、もとから汗をかきづらい、体の感覚機能が低下して暑さに対して鈍く、のどの渇きも感じづらいため、気づいたら熱中症で倒れてしまうといったことも多くあります。
早めに「かくれ脱水」を見抜いて熱中症を予防しましょう。

かくれ脱水は熱中症の一歩手前

 夏に多い熱中症は、体内の水分が失われる「脱水症」と大きく関係しています。
脱水症は進行するまで症状が出づらく、めまいや頭痛、吐き気などの症状が現れた時には、かなり進行していることもあります。
気づかないうちに体の水分が少なくなり、脱水症の一歩手前になるのが「かくれ脱水」です。
この段階で気づいて、適切な対処で進行を食い止めることが大切になります。
 お口の中は、体の外では普段から比較的水分量も多く、乾燥が判断しやすい場所であり、また熱中症対策に必要な塩分や水分を補給するのに大切な器官です。
お口の中や喉が異常に渇いているなど、気づいたら早めの水分補給で潤すように心がけましょう。

かくれ脱水の症状

 お口や喉の渇き以外にも「かくれ脱水」を見抜くポイントがあります。

・指先が冷たい
・食欲の低下
・爪を押して、白からピンク色に戻るまで3秒以上かかる
・舌の表面に光沢が無く、赤黒く乾いている (出典:日本訪問歯科協会)

このようなセルフチェックポイントを利用して早めの対策で熱中症を防ぎましょう。
 今年の夏は電力不足の懸念もあり、各ご家庭での節電要請もありますが、体温調節が低下している高齢者の方々は、決して我慢せず適切なエアコンの室温設定も必要です。
寝ている時も喉の渇きを感じたら水分補給をできるようにペットボトルを枕元に置くなど工夫するなど、早めの対処で熱中症を防ぎ暑い夏を乗り切りましょう