第73回 新型コロナとインフルエンザの同時流行に備えましょう!

 新型コロナウィルスの感染拡大発生から約3年が経ち、新規感染者数も多少の上下はあるものの落ち着いてきた様子が見えます。
世界的にも感染予防の規制が弱まり、旅行者の増加や外でのマスクの未着用など、WITHコロナが進んできています。日本でも水際対策の規制緩和が進み、海外からの入国者が増えることでの経済回復が見込まれているのは嬉しい事です。
 そこで今、注意が必要なのが、季節型インフルエンザとコロナウィルスの同時流行です。

新型コロナとインフルエンザの感染対策

 毎年、冬の到来と共に流行していたインフルエンザですが、今年は例年と大きく異なり、すでに蔓延している新型コロナウィルスとの同時流行が危惧されています。
しかもインフルエンザウィルスと新型コロナは症状が似ていて、医師でも判断が難しいと言われています。新型コロナでは味覚や臭覚の異常が現れると言われていますが、その症状が出ない人もいるため、自己判断はせず必ず医療機関の診断を受けるようにしましょう。
 しかしインフルエンザも新型コロナも、同じように飛沫やウィルスへの接触することなどで感染が広がるため、その予防対策は共通しています。
 新型コロナの感染拡大以降、マスクの直用や、うがい手洗い等の習慣からか日本では例年と比較してインフルエンザの発症報告数は少なくなっていますが、今一度、インフルエンザとの同時感染に注意して感染対策を徹底して参りましょう。

口腔ケアで同時流行に備えましょう

 以前のコラム「中野院長の予防歯科教室 特別版」でもお話したように、ウィルス感染症への対策として口腔ケアは大切です。
 唾液に含まれる抗体lgAはウィルスなどの有害な微生物を排除する役割を持ちます。ですが口腔内が汚れていると、その免疫機能がうまく働かなくなってしまいます。また歯周病菌が出すプロテアーゼという酵素は、ウィルスが体内に入る手助けをしてしまうので、日々の正しい歯みがきや、歯科医院でのプロケアなどで、清潔なお口を保つことはウィルス感染症への対策に有効なのです。
 歯みがきと共に舌みがきも大切です。舌の表面が汚れていると舌苔という歯垢と同じように細菌の塊が着いてしまいます。この舌苔を舌みがきで落とすと、感染対策だけでなく、口臭予防にもなります。
 しっかりとした口腔ケアで冬の到来に備えましょう!