第67回 親知らずってなに?

様々な場面で新生活が始まる季節になりました。
新入学、進級、卒業や就職。お口の中でも大人になるにつれ現れる新しい歯があります、それがいわゆる「親知らず」です。
 親知らずと言われる由縁は、子供の歯(乳歯)から大人の歯(永久歯)に生え変わる時期が過ぎ、親が知らないうちに生え出すところから言われています。
今回は、歯列の一番奥に生えることから歯みがきも難しく、虫歯になりやすい「親知らず」について知って頂きたいと思います。

親知らずのトラブル

 子供の成長に伴い一般的に15歳前後で乳歯から永久歯に生え変わりますが、親知らずは永久歯の生え揃った後、最後に歯列の一番奥に生えてきます。
一般的に上下左右に1本ずつ計4本生えますが、親知らずの生えてこない方や、4本生え揃わない方など、個人差も多くあります。
表面的に生えていないように見えても、顎の大きさや生える方向によって、歯肉の下に埋もれているだけの方もいますが、歯科医院でレントゲン写真を撮影すると見えます。
 昔は日常的に硬い食べ物も噛む機会が多く、親知らずが生え揃うスペースが十分にありましたが、柔らかい食べ物が増えた現代人は顎が発達しづらく、正しく生え揃わないケースも多いです。
 お口の一番奥にある事や、歯肉から親知らずの一部しか出ていない場合など、食べ物のカスや歯垢などが溜まり、その中で細菌が繁殖しやすい事から虫歯になりやすく、トラブルの多い歯のひとつです。
ブラッシングの角度など工夫をして、ケアしていくようにしましょう。

親知らずケアのコツ

 歯ブラシの届きづらい場所にあり、汚れが溜まりやすい親知らず。
虫歯にならないようにケアしていくためには、日々の歯みがきが大切です。
ポイントはお口の奥まで届くようなヘッドの小さな歯ブラシをつかうこと。
ブラッシングの際、口を大きく開けすぎると、歯と頬の内側との空間が狭くなってしまい、歯ブラシが届かなくなってしまうので、口をすぼめ「い」と発音する時のように頬を広げるようにしながら磨くのがコツです、
 それでも虫歯になってしまうことも多くありますので、歯科医院での定期検診や、プロケアなどで十分にケアしていきましょう。