第55回 歯科医院で新型コロナウィルス感染ゼロの理由

 新しい年も明け、昨年同様に新型コロナウィルスによる感染拡大が続いています。ウィルスの変異型も現れ、先日埼玉県内でも初めての変異ウィルスによる感染者が検出されました。
感染拡大後2度目の緊急事態宣言も発表され、更なる不安を抱えていらっしゃる方も多いかと思います。
 そんな中、先月大阪府の吉村知事がツイッターで、大阪府内の歯科医院でクラスターが発生していないことにふれ「歯科医院による感染対策の賜物と思うが、何かある。何か?」と投稿したことがニュースになりました。これは大阪府のことだけではなく、いまだに国内の歯科医院で感染拡大は確認されていません。
 吉村知事の言う「何か?」について、当院の感染対策を踏まえてお話させていただきます。

歯科医院での感染予防

  新型コロナウィルス流行後(公社)日本歯科医師会でも「新たな感染症を踏まえた歯科医院の指針」を発表し、歯科医療機関における感染予防策を示しました。
当院でも、今まで以上に感染対策を強化することで感染拡大を防いでいます。
 歯科医院による患者様への感染拡大ゼロの理由として、まず第一に挙げられるのが「徹底した消毒」です。
当院では新型コロナウィルスの流行前から徹底した院内感染の予防を行っていました。高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)、消毒用エタノールや次亜塩素酸ナトリウムを用いた器具や周辺機器への滅菌・消毒。患者さまごとのマスク・グローブ、患者様が使うエプロン・紙コップの交換など、普段から徹底した感染対策を当然のように行っていたことが、新型コロナウィルス感染予防に大きく影響していると思います。
 次に「感染症対策には口腔ケアが有効」ということです。
以前よりこのコラムにてお話してきたように、歯周病治療や口腔ケアを怠ると、虫歯菌や歯周病菌が出すプロテアーゼという酵素の影響で、ウィルスを取り込みやすい体になってしまいます。
ご家庭での歯みがきや舌みがき、歯科医院での治療や口腔ケア、治療前後のうがいでも感染対策は徹底できます。
 当院もより一層の感染拡大予防と患者様の口腔ケアに尽力して参ります。
 一緒に新型コロナウィルスの脅威を乗り越えていきましょう!