第33 回 むし歯は早期発見が大事

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むし歯は早期発見が大事です!

どうしてむし歯になるの?

むし歯は口の中のむし歯菌が食べ物の糖を取り込み酸をつくり、この酸によって歯の表面を溶かします。
そして、次の3つの要素「歯の質」「糖質」「細菌」が重なった状態が長くなるほどむし歯になりやすく、
逆にこの状態を短くすることがむし歯予防につながります。毎日の歯みがきや歯科医院でのケアで虫歯を除去することも大事ですが、食事のとり方も注意が必要です。

虫歯発生の要因

食事やおやつの回数に注意

食事回数の図
上図はAさんとBさんの1日の食事の回数です。お口の中は通常は「中性」に保たれていますが食事をすることで「酸性」になり、むし歯になりやすい状態になります。食事のあと、唾液の働きで30分くらい経過すると中性に戻ります。食事の時間が長かったり、間食が多いと「酸性」になる時間が増え、むし歯になりやすい状態も増える事になります。

むし歯の進行状況と治療内容

むし歯の進行状況に応じて、歯を削る量、治療内容、治療後の状態、通院回数、治療費用なども違ってきます。
もし、むし歯になった場合は症状が進行する前に受診し、早期治療ができる限り歯を削る量を減らすことが自分の歯を長持ちさせるポイントです。
虫歯の進行具合

【C0】むし歯の始まり
見た目にはわからないむし歯
表面が浅く溶け白く濁って見えたり薄い茶色の状態。見た目ではほとんどわからない。削らずフッ素などで再石灰化(歯の表面を修復する作業)を促し、様子をみます。
【C1】初期段階のむし歯
自覚症状なし
歯の表面(エナメル質)のむし歯を削り、白いプラスチック樹脂を詰めます。
【C2】象牙質までむし歯進行
歯にしみる
象牙質までむし歯が進んでいる為、歯を削る量が増えます。状態に応じて白いプラスチック樹脂やセラミックの詰め物(自費診療)または銀歯の詰め物(保険治療)になります。
【C3】歯の神経までむし歯進行
熱いものもしみる
神経を取り除いた後、歯の根の部分の治療が必要。通常は被せ物になります。
通院回数もかかります。
【C4】歯の根だけ残る
末期状態
神経が壊死し、痛みを感じなくなることも。化膿し抜歯になる事もあります。
残す場合は歯の根の治療を行い土台を作り被せ物をします。抜く場合は、抜いた後入れ歯、ブリッジ、インプラントなどの治療が必要になります。

被せ物や詰め物をした歯もむし歯になります。

1回むし歯の治療をしたところにできるむし歯を「2次カリエス」といいます。実は、大人の虫歯治療で多いのは、新たにできるむし歯より一度むし歯を治療した所にできる「2次カリエス」の方が多いのです。
一度むし歯になったような部分は、むし歯になりやすい部分です。
特に、神経を取った歯は、むし歯になっても痛みを感じませんので、気づいた時にはむし歯が進行している場合がありますので気をつけましょう。
「悪くなってから治療」を繰り返していては、治療のたびに歯は削られ、どんどん小さくなってしまい歯の寿命を短くするだけです。歯は一度失ってしまったら、再び元に戻ることはありません、
定期的な健診で「むし歯予防」をしていきましょう。