第19回  大人のむし歯は歯の根に注意!

一生の間には、むし歯ができやすい時期が3度あります

  1. 乳歯が生える乳幼児の時
  2. 永久歯に生え変わる小学生の頃
  3. 中高年以降のむし歯
1と2の時期は、奥歯の噛み合う部分や歯と歯の間など、歯の上の部分(歯冠)にできるむし歯が多くなります。
しかし、3.中高年以降は歯根と呼ばれる歯の付け根のむし歯が目立ってくる特徴があります。
このような部分にできるむし歯を「根面う蝕」といいます。

なぜ、中高年になると増えてくるの?

「根面う蝕」は歯根が歯肉から露出したところにできます。中高年以降は、歯周病や加齢により
歯肉が下がってくることが関係しています。他にも、唾液の分泌が徐々に減ってくることにより、お口の中の自浄作用が弱まり、むし歯になりやすい環境になってしまうのです。

「根面う蝕」で気を付けたいことは?

また、知っておきたいのが、歯冠と歯根のむし歯に対する強度の違いです。
歯冠はエナメル質という硬い組織に覆われている為、比較的ゆっくりとむし歯が進行します。
それに対し歯根はエナメル質に覆われておらず、もろく柔らかい組織なので、歯肉が下がるとそれまでむし歯ができにくかった人にもむし歯ができたり、歯髄(神経)までの距離が近いことから、早い段階で痛みを感じ、治療の際に神経を取らなければならないこともあります。
リスクを知り、正しいブラッシングやダラダラ食いに気を付けて大切な歯を1本でも多く守っていきましょう。