第78回 睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)

あなたはいびきをかきますか?
「いびきをかく人」は男性が4人に1人・女性は10人に1人程度と言われています。
いびきは睡眠中、狭くなった気道を空気が通る際、喉の粘膜などが振動して起こる騒音です。
 日本人は骨格的に顎が小さく、気道が狭いため、もともといびきをかきやすいと言われていますが、その要因は多様です。大きく分けると単純性のいびきと注意が必要な睡眠時無呼吸症候群を伴ういびきがあります。

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いびきのメカニズム

いびきの主な原因は、空気の通り道である「上気道」が何らかの原因で狭くなることにあります。狭いところを空気が通ろうとすると空気抵抗が大きくなり、呼吸をしたときに粘膜が振動して音が生じます。この振動音が、「いびき」です。
 疲労、飲酒、花粉症や風邪による鼻づまり、ストレスなどで起こる一般的ないびきは、原因が治ってしまえば収まります。
 しかし、睡眠時無呼吸症候群を伴ういびきは、起きているときの私たちの活動に様々な影響を及ぼし、気付かないうちに日常生活に様々なリスクが生じる可能性があるのです。

睡眠時無呼吸症候群を伴ういびきの原因

  • 口の周りの筋肉が弱まり、舌の付け根が沈下する
  • 扁桃肥大、首の脂肪で気道が狭くなる
  • 鼻が曲がっている、顎が小さいなどの骨格の問題

いびきが慢性的で騒音も大きい、日中も眠気が取れないなどの場合は、睡眠時に気道が塞がり無呼吸状態になっている可能性があります。

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睡眠時無呼吸症候群の健康被害

睡眠時無呼吸症候群になると、眠っているときに呼吸が止まったり、止まりかける状態が繰り返されます。
このため睡眠中に脳が酸素不足となり、様々な健康被害をもたらします。睡眠時無呼吸症候群は以下の健康被害をもたらします。

  • 高血圧
  • 心疾患
  • 脳卒中
  • 糖尿病
  • 肥満
  • 生活習慣病

など

こんな人は要注意!

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の代表的な症状をご紹介します。
自覚症状の感じ方や程度には個人差がありますから、可能であれば寝ている間のことについてぜひご家族やパートナーにきいてみてください。
「ちょっと疲れているだけ」、「いつものこと」で終わらせず、日常生活を振り返ってみましょう。

寝ている時

  • いびきをかく
  • いびきが止まり、大きな呼吸とともに再びいびきをかきはじめる
  • 呼吸が止まる
  • 呼吸が荒れる、息苦しさを感じる
  • むせる
  • 何度も目が覚める(お手洗いに起きる)
  • 寝汗をかく

起きた時

  • 口が渇いているく
  • 頭が痛い、ズキズキする
  • 熟睡感がない
  • すっきり起きられない
  • むせる
  • 身体が重いと感じる

起きている時

  • 強い眠気があるく
  • だるさ、倦怠感がある
  • 集中力がない
  • いつも疲労感がある
当院では、日本睡眠歯科学会(JADSM)会員として、睡眠呼吸障害について、日々研鑽、研究、臨床を推進しています。
睡眠時無呼吸症候群でお困りの方や、不安をお持ちの方は、お気軽にご相談ください。

当院ホームページのコラム「中野院長の予防歯科教室」の第13回第44回でも紹介にています。
ぜひこちらもご参照ください。

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