第59回 保険治療と自費治療

 今回の新型コロナウィルス感染拡大において、私たちの生活の中で、改めて健康のでいることの大切さが見直されました。
私たちは何かしら病気になると保険証1枚で誰でも必要な治療を受けることができます。これは皆さん当たり前のように普段から利用していますが、実は海外と比べると非常に恵まれているのです。
これは私たちの住む日本に「国民皆保険」という制度があるおかげです。
 今回はこの「国民皆保険制度」における歯科治療について説明します。

世界の保険制度

 世界的に日本の保険制度は非常に恵まれています。
たとえばアメリカでは65歳以上の高齢者と障碍者の方向けの「メディケア」と、低所得者に対しての「メディケイド」という保険制度がありますが、それ以外の現役世代は民間の保険に加入しなければ保険治療を受けることができません。
 イギリスなどでは税収を使って基本無料で治療を受けられますが、事前にかかりつけ医の登録が必要で、登録した診療所以外での治療は受診できません。旅行先などで病気になってしまったらどうするのでしょうね。

歯科治療の保険制度

 このように誰でも必要な時にどこでも保険治療が受けられる日本の保険制度が世界的に優れていると言えますが、これはあくまでも病気やケガから命をまもるためのもので、歯科治療において虫歯や歯周病など緊急的に命にかかわる病気とみられることが稀なため保険治療での治療内容が限られており、歯科医師が本当に必要を感じる治療が行えないケースもあるのです。
その際に患者様にご提案するのが自費治療です。
前歯など、人によく見られる歯をセラミックにしたり、きれいな歯並びに矯正するなどは、保険治療では認められていません。
また歯の抜けてしまった箇所の噛む力を補うためのインプラントなど、贅沢な高額治療と見られがちですが、前回のコラムでもお話したように、噛む力を取り戻したことで得られる健康や生活の楽しみなどは贅沢品と言えるのでしょうか。
 保険治療で行える治療は、あくまでも必要最低限のもので、自費治療はよりよい治療の選択肢のいとつとして、ぜひ贅沢品というイメージを払拭していただけたら嬉しいです。