第60回 インプラントって本当にいいの?

 人生100年時代の到来した生活の中で、非常に重要なのが日々の食生活です。せっかく長生きしていても食を楽しめないのであれば、その楽しさも半減してしまいますよね。
 いつもでも食事を楽しむために不可欠なのが歯であることは皆さんもご存じの通りです。しかし様々な理由で歯を失ってしまうことも多くあります。
歯が無くなってしまった時の選択肢は?
ブリッジ、入れ歯、インプラント?どれにしたらよいのでしょう?

歯が無くなってしまった時の選択肢

 もしもご自身の歯を失ってしまった場合、どうしますか?
ブリッジ、入れ歯、インプラント、選択肢はいくつかあります。
ブリッジは無くなってしまった歯の両脇の歯も削って土台にしなければなりません。入れ歯は常に異物を口に入れて生活しなければならず、入れ歯の厚みもあって食事の際の味が感じづらくなってしまします。
両方とも保険の範囲で治療できるので価格が安く治療できますが、デメリットも多くなってしまいます。
ではインプラントはどうでしょう?
 インプラントは保険適用外の治療なので治療代は高価です。また手術も必要といったデメリットがありますが、その後の生活でのメリットの方が多いことも事実なのです。

インプラントにするメリット

 インプラントを選ぶメリットの一番は、いつまでも食事を楽しめることです。入れ歯が痛くて噛めないからおかずを選んで食べるといった必要なく、なんでも噛んで今まで通りに味を楽しむことができます。
 次に他の健康な歯を傷つけることが無いことです。
ブリッジは無くなった部位の土台として、入れ歯もお口の中で保持するために固定用のバネを他の歯に掛けなければなりません。
 他にも、立ち上がる際や歩いている時にも、しっかり噛みしめることが重要です。ご年配の方がインプラントにしたことで歩行時にフラフラせず真っ直ぐ歩けるようになったという症例もあります。
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 歯科医師の多くが欠損歯の治療としてインプラントを勧めています。そこには保険治療より多くのメリットを患者様へ与えることができるからです。
 QOL(Quality Of Life)という言葉をお聞きになったことがあるでしょう。これは「患者様の生活の質を守る」という言葉です。私たち歯科医師の一番の役目はこのQOLを守るとこにあります。
 もちろん治療費のご都合もありますので、患者さまの皆さん全員がインプラントを選ぶことはありませんが、巷の噂や週刊誌といった悪いイメージは払しょくしてもらえたら嬉しいです。