第64回 健康なお口で新年を迎えましょう

 今年も残すところわずかになりました。
皆さんにとってどんな年だったでしょうか?
これから忘年会、新年会など、お酒を飲む場面が増える時期でもあります。
またクリスマスケーキにお餅やおせち料理、実は胃腸とお口にとってストレスの多くなる時期でもあります。
 年末年始、少しでも健康なお口で楽しむための注意点などお話したいと思います。

お酒を飲んだ後の注意点

 忘年会や新年会、新年のあいさつ回りなどでお酒を召し上がる機会も多くあると思います。
自宅で過ごすとしても、コタツに入って寝正月というのも年末年始の楽しみ方のひとつですよね。
お酒を飲んだ翌朝はお口の中がネバネバしていることはありませんか?お酒は強い利尿作用も相まって、お口が乾燥しやすくなります。唾液が少なくなることで唾液の自浄作用が弱まることや、お酒に含まれる糖分が虫歯菌や歯周病菌を活発化させ、お口のトラブルも多く報告されています。
 年末年始は日々のストレスから解放されて、お口のケアも疎かになりがちです。お酒を楽しんだ後も、しっかりと歯みがきや舌みがきなどで、お口のケアに努めてください。
 年末年始は歯科医院もお休みになります。ぜひ年内中に一度歯科医院にお越し下さり、検診やお口のプロケアを受けて頂き、気持ちよく新年を迎えて頂きたいと思います。

おせち料理やお餅には工夫を

 もともとお正月のおせち料理は、日頃ご家庭の食卓を守っている主婦の方々の苦労を労うため、家族の健康長寿を願いながら日持ちする料理を作っておくことで、家族全員がお正月をゆっくり過ごすためのものだそうです。
とても美味しいですが、お年寄りにとっては飲み込みづらい料理も多くあります。いまでもお餅を喉に詰まらせてしまう事故のニュースも聞かれます。お年を召してくると、唾液の分泌や噛む力が弱まることで、このような誤嚥(ごえん:食べ物が食道を通らず、気管に間違えて入ってしまう)が増えてしまう時期でもあります。
 このような誤嚥を防ぐためにも、料理の食材は細かく切ったり、とろみをつけたりして、飲み込みやすくする工夫を心がけてください。お餅なども小さめにしてお雑煮などでお汁と一緒に食すと良いかと思います。
皆さま、健康な身体とお口で、気持ちよく2022年を迎えましょう。