第50回 新型コロナウィルスに負けない歯と口の健康づくり
今年の夏も暑い日が続いていますね。
今年は新型コロナウィルスの影響で、外出時はマスク着用、お店に入る際のアルコール消毒、体温測定が当たり前の生活になってきましたが、夏の猛暑の中、マスクを着けての外出も大変ですよね。
しかし私たちはこれからコロナウィルスのある生活を続けていかなくてはなりません。
今日はこれからのいわゆるwithコロナにおける対処方略の一つとして、歯と口の傾向維持の重要性を今一度お話ししたいと思います。
今年は新型コロナウィルスの影響で、外出時はマスク着用、お店に入る際のアルコール消毒、体温測定が当たり前の生活になってきましたが、夏の猛暑の中、マスクを着けての外出も大変ですよね。
しかし私たちはこれからコロナウィルスのある生活を続けていかなくてはなりません。
今日はこれからのいわゆるwithコロナにおける対処方略の一つとして、歯と口の傾向維持の重要性を今一度お話ししたいと思います。
新型コロナウィルス重症化と口腔清掃の関係性
歯みがきや舌みがきなどの口腔清掃を怠ると、食べかすなどから歯垢が溜まり、その中で増える細菌や毒性の物質がお口の中の上皮細胞を破壊します。これが日本人の7~8割が罹患している歯周病の始まりです。歯周病菌からはプロテアーゼという酵素を血管から全身へと拡散します。
米国の報告では、歯磨き停止試験で56%の若者がエンドトキシン血症(新型コロナウィルス感染症の重症化に関わる細菌の毒性物質LPSが血管から検出される病態)を発症しました。
しかし、その後の口腔清掃により回復しています。
別の報告では、歯周病患者は食品を噛むだけで最大で40%がエンドトキシン血症を起こしました。
また、リンゴをかじるだけで血液培養で細菌が検出される病態である菌血症を発症する歯周病患者もいます。
歯科疾患が原因で菌血症やエンドトキシン血症を発症している人に新型コロナウイルスが感染すると免疫暴走(サイトカインストーム)の危険性が増加します。
また、唾液1mLあたり1億個の細菌が含まれていますので、唾液の誤嚥も肺炎(誤嚥性肺炎)に関係します。
Covid-19の治療では抗生物質の投与も行われますが、副作用として腸管防御力が低下するのは避けられません。
そのときに唾液の細菌が腸に定着すると腸管の変調による炎症拡大を招きます。
歯と口の細菌や毒性物質は、循環器、呼吸器、消化器の3方向へ拡散し、ほぼすべての臓器に慢性炎症を起こします。
平時ではそれが生活習慣病の危険因子ですが、緊急時では免疫暴走、細菌性肺炎あるいは敗血症(感染症による死亡につながる重大な臓器障害)の危険因子になります。
ご自宅や歯科医院での口腔ケアを徹底して新型コロナウイルスの感染に備えることが大切なのです。